当社と、株式会社ヤンマー商事、広島県立食品工業技術センターでは、圧力酵素分解技術を利用した牡蠣分解エキスの技術開発に取り組んでいます。煮出し方式よりもアミノ酸やプチペドを豊富に含んだエキス製造が出来ます。
1.圧力酵素分解牡蠣エキスの製造方法
冷凍生カキをを解凍し、プロアテーゼ(酵素)を加え圧力容器にて、24時間かけ分解していきます。処理後90℃以上40分かけて酵素を失活させる。また、上記製造では濃度18%以上で製品ですがここからさらに加熱し濃度を30%以上の濃縮エキスの製造も可能です。
2.圧力酵素分解エキスの特徴
本分解カキエキスには、冷凍生カキと分解を補う少量の酵素のみでされています。食品添加物はもちろんその他食品素材も一切含まれておりません。生カキのみから生み出されたかきエキスと言えます。従って従来のかきエキスに含まれる様々な有効成分(アミノ酸、タウリン等ビタミン類)に加え、カキたんぱく質から分解したアミノ酸やプチペドが増強されています。
3.健康・安全・無添加
生カキだけで製造されます。またタウリン、アミノ酸、ペプチドなどがたくさん含まれています。この圧力分解カキエキスは、健康・安全・無添加などの消費者ニーズに応えた最適な素材といえます。
圧力酵素分解技術とは、圧力下(60MPa)で微生物が増殖できないことを利用して魚介類の分解を短時間に進めることを特徴です。常圧下で行う従来法では腐敗の進行が同時に起こるため、食塩の添加が不可欠でした。圧力酵素分解技術の実用化する為に、食品工業技術センターの技術支援の下、当社と株式会社広島ヤンマー商事が共同で取り組んだ圧力式牡蠣むき装置(PSOP)を利用しております。
従来法で製造される牡蠣エキスに比べ、圧力酵素分解技術は牡蠣エキスの歩留まりやエキス中のアミノ酸濃度を高くすることを可能にしました。
10~4月の牡蠣出荷期間は、本装置と圧力式牡蠣むき装置を使用し、2~3トン/日、100日/年、稼動していますが、オフシーズンには牡蠣エキス製造装置として稼動することになります。
品目 | カキエキス | ||
---|---|---|---|
性状 | 香気 | 牡蠣独特の風味を有する。 | |
色調 | 濃い茶緑色 |
試験項目 | 分析値 | 試験方法 | |
一般分析 | pH | 5.7 | ガラス電極法 |
---|---|---|---|
Brix | 19 | 屈折計 | |
一般細菌数 | 5.5 × 10(3乗)個/ml以下 | 食品衛生検査指針 微生物編 | |
大腸菌群 | 陰性 | 食品衛生検査指針 微生物編 | |
大腸菌(E.coli) | 陰性 | 食品衛生検査指針 微生物編 | |
黄色ブドウ球菌 | 陰性 | 食品衛生検査指針 微生物編 | |
耐熱性菌数 | 30個/ml以下 | 食品衛生検査指針 微生物編 | |
ヒ素 | 3.8ppm | 牡蠣抽出物食品規格基準 | |
重金属 | 不検出 | 食品衛生検査指針 | |
栄養成分値 (100g中) |
熱量 | 77 Kcal |
栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について (平成11年4月26日衛新第13号) |
たんぱく質 | 7.8 g | 上記と同じ | |
脂質 | 2.0 g | 上記と同じ | |
糖質 | 62.8 g | 上記と同じ | |
ナトリウム | 240 mg | 上記と同じ | |
灰分 | 1.2 g | 上記と同じ | |
水分 | 83.7 g | 上記と同じ |
mg/100ml | 圧力 | 煮出し |
アスパラギン酸 | 128 | 22 |
グルタミン酸 | 219 | 88 |
グリシン | 94 | 44 |
タウリン | 769 | 834 |
アラニン | 122 | 71 |
セリン | 66 | 24 |
アスパラギン | 62 | 59 |
スレオニン | 85 | 31 |
プロリン | 108 | 110 |
バリン | 119 | 9 |
メチオニン | 40 | 8 |
ヒスチジン | 31 | 19 |
ロイシン+イソロイシン | 171 | 19 |
フェニルアラニン | 57 | 7 |
リジン | 120 | 20 |
トリプトファン | 25 | 0 |
採れたての「牡蠣(かき)」を最新鋭の設備で凍結、
鮮度を封じ込み“活き牡蠣”をそのままに!
徹底した衛生・品質管理のもとで生産しています。
冷凍フライ製造ラインやスチームベルト式凍結ラインを駆使し、徹底した品質管理と 衛生的な環境のもとで製造しております。また、原料・工程・製品などの各段階で適時、 衛生検査を実施。できあがった製品はマイナス28℃で冷凍保管します。